Tatami

畳について

畳の構造と名称

畳床と呼ばれる芯材に対して、い草などを編んだ畳表を巻き、縫い込むのが畳の基本。

  • 畳表「たたみおもて」

    Tatami-Omote (surface)

    い草をたて糸に、麻糸 / 綿糸をよこ糸に織り上げる「天然畳」は大きく国産と中国産に分けられ、どちらも天然素材のい草が使用されます。
    一方和紙畳や樹脂畳などのメーカー品は、い草を工業製品に変えた代用品として広く普及しています。

  • 畳床「たたみどこ」

    Tatami-Doko (core)

    伝統的な藁床と、木質繊維ボードと断熱材を積層した建材床に二分されます。
    建材床は緩衝性・断熱性・調湿性など求められる機能によって下地を調整します。
    建材床には薄畳用・床暖房畳用・洗える畳など用途に応じて異なります。

    • 藁床
      乾燥させた稲藁を縦横の層になるように400mm積み、50mmの厚さまで圧縮します。
      かつては汎用品でありましたが、現在では一部の住宅の他、社寺建築など文化財で利用されています。

    • 建材床
      木質繊維ボードと断熱材を積層した建材床は、仕上げの厚みを調整できます。一般的に13~60mm程度まで対応が可能です。

  • 畳縁「たたみべり」

    TTatami-Beri (border)

    綿・麻・絹・化学繊維などがあり、無地と織柄の物があります。
    古くは身分によって色や柄が規定されていました。

畳のサイズ

畳は一枚ずつ全てオーダーメイドで作られる。

  • 一つの部屋、畳のサイズは全て異なる

    畳はサイズが決まった既製品ではなく、一枚ずつオーダーメイドして製造されています。
    一般に畳のサイズは京間や江戸間と呼ばれるサイズがありますが、実際にはそのような規定サイズはなく、部屋に合わせて割り付けを行い1 枚ずつのサイズに合わせて手仕事で作られています。

  • 長さ、幅、厚みも自由

    畳床から自社製造している、他の会社ではあまりやっていない。通常は専門業者からの仕入れ品となる畳床を自社製造。基材から。
    縦幅は13~1,990mm、横幅は13〜980mm、厚みは13~60mm までの範囲で、自由なプロポーションでの割り付け対応が可能です。

天然畳ができるまで

い草を育て、刈る

畳表の原料となるのが「い草」で、植え付けから収穫まで1年半を経てようやく刈り取ることができるようになります。
寒い冬に植え付けて、暑い夏に刈り取りを行いますが、刈り取りの際にはい草に負担を与えないように日の出前の早朝など涼しい時間帯に行われます。

天然染土

刈り取られたい草は、その日のうちに天然染土を用いて「泥染め」を行い、その後乾燥させます。
泥染めを行うことで、畳表特有の色・香り・光沢が出てくるだけでなく、表面コーティングされ、畳を新鮮さを保ち、酸化や色褪せを防ぎます。
染土は淡路島産や広島県産の良質な天然粘土が使用されています。

乾燥させ、畳表を編む

乾燥したい草は長さごとに選別、一本ずつ傷や太さをチェックした上で、製織することで「畳表」になります。
畳表の品質は「い草の長さ」が一番重要になります。太さが均一で色も良く、芯材の灯芯草 ( とうしんそう )が丈夫で、変色や傷が少ないのが高品質とされています。
一枚の畳表には 4,000-7,000本のい草が使用されていますが、本数が多い程美しい畳表とされています。

畳表を畳床に巻き込み、縫い付ける

部屋のサイズに合わせてカットした畳床に、編まれた畳表を巻き込み、縫い糸で縫います。
緩衝性・断熱性・調湿性など求められる機能によって下地が調整されます。